嬉しい気持ちも、幸せの気持ちも、切ない気持ちも、
すべてはこの気持ちにつながっている。
大切に思うことも、大事な思い出も――









好き









ベットの上で2人で過ごす夜はとても長いようで、それでいてあっという間に過ぎ去ってしまう。
もっとずっとこうしていられたらいいのに。

「越前、もう寝る?」
「ううん、まだ起きてたい」

だって寝てしまったら明日になってしまうから。
眩しい朝が早く起きろと俺を責め立てるから。
せめてこの大切な時間は、寝る間を惜しんでも体に刻み付けておきたかった。
摺り寄せて桃先輩にくっつくように体を寄せる。
抱きしめてくれる腕も、それが触れる背中も今は素肌と素肌で、
洋服とも、布団とも違うあたたかさ。

「桃先輩、俺のこと好き?」

見上げて当たり前のことを尋ねてみる。
答えは決まっているし、それ以外はありえないと思っていても、
その言葉を聴きたくてしょうがないときがある。

「うん、大好き。」
「俺も・・大好き」

ずっと一緒にいるのに、まだまだ惚れ直すところはたくさんあって、
でも欠点も弱点もたくさん見えてきて。
それでもずっと一緒にいたいと思う気持ちの方がそれを上回っているのは、
一生一度の俺の大切な人だってことを証明していることだと思うから。

「これからもずっと一緒にいてくれる?」
「当然。だって越前幸せにできんの俺だけだろ?」

その自信はどこから来るのかわからないけど、
俺も、俺を幸せにできるのは桃先輩だけだって信じてるから。

「うん」

笑顔であなたに伝えよう。
出会ったことも、笑ったことも泣いたことも、

「越前、キスしよっか」

切なかったことも、嬉しかったことも

「うん」

すべてがあなたへの想いへとつながる。
一生に一度の本気の愛。
大好きという言葉に乗せて、俺の想いはこれからもずっとずっと深まっていく。
































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