目が覚めても、夢の中にいる心地。
わたあめに包まれてるような、やさしい甘い感覚。
だってそこには必ず桃先輩がいるから。










おはよう









桃先輩は今日も、俺より先に起きていて、
寝ぼけて目をこする俺はまだ眠さに勝てなくて、小さくうなった。
桃先輩は俺の頬に触れたあと、耳元でささやく。

「おはよ、越前」

耳に触れる息がくすぐったくて、肩を上げると木漏れ日と桃先輩の顔。
それはいつもとろけそうなくらいあたたかくて。
眠さと寝起きのダルさが心地いい。
まだ起きるのには早いと、返事の代わりに桃先輩を抱き枕にして胸に顔を押し付ける。
ふんわりと桃先輩の匂いがする。

「まだ寝んのか」

目をつぶってうっとりしてると、長い腕が俺を抱きなおしていた。

「そんな長いこと寝てるとキスしちまうぞ」

そんなこと言われても眠いものは眠い。
こんなに気持いい抱き枕まであるって言うのに、これを手放す理由はない。
桃先輩の言葉に反応もせず目をつぶっていると、
視界が暗くなったのを合図に唇を奪われた。
――こうやって俺の朝は始まる。

桃先輩と一緒に暮らすようになって、毎日がこの繰り返し。
せっかく2つ買ったベットも1つしか使わない。
こんなことならダブルベットにしておくべきだった。
それでも、今ではこのベットの狭さがお気に入りだから、今さら買いかえる気なんてないけど。

「桃先輩、」
「ん、なん・・――んっ」

まだ眠いと見せかけて、2度目のキスは俺からのキス。
やわらかい唇は桃先輩の温度でほんのりあったかい。

「・・朝っぱらからそんなキスすんなよ、止まんなくなったらどうすんだよ」

どうしようね、と笑って見せると、

「危機感のないやつ」

笑って頭を小突かれた。
こうゆう触れ合いも、唇の触れ合いも、俺には同じくらい嬉しくて大切で、幸せで。
ひとつひとつを大事にしたいから。
だからこんなにやさしい感触なんだろうか。

俺たちの朝はこんなにもゆっくり時がながれる―――































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