課題というものは本当に厄介だ。 もちろん尸魂界に居たときにも、課題はあったが、この世界のものとは少し勝手が違う。 頭を悩ませて何分が経過しただろう。 さっきから筆先が進まず、同じ体勢で固まっている。 「おい、ルキア」 「うわっわ!!!」 「わ、わり。そんな驚くと思わなかった」 「それより、なんのようだ」 「へぇ・・・」 私のノートをじっと見てから視線が合う。 「おまえ、わかんねぇのか」 「ば、ばかもの。少し時間がかかるだけだ、わかんないことなどない!」 「そうか。でもノート白紙だぜ?」 課題を済ませると言って、もう1時間は経っているから、 こんな言い訳など、バレバレなのだろう。 「教えてやろうか?」 「それより自分の課題を済ませたらどうだ」 「んなもん終わったよ。だからお前の様子見にきたんだろ」 おわ・・・ったのか。 あのとんでもない量の課題を。 「・・・それでは、たのむ」 このままでは期限までに間にあわなそうなので、 不覚ながら一護の助けを借りることにした。 「この問題は昨日の応用みみてぇなもんだから簡単だろ。前のページ見てみろよ」 「うむ。」 「ここに公式あんだろ。それにただ代入して解いてみ」 「わかった」 そしてひとつひとつ問題を消化していく。 一護の教え方は、簡潔で単純でわかりやすい。 それでいて、すこしえらそうだ。 こうゆうものは性格が出るのだな。 「なんだおまえ、結構すらすら解いてんじゃん」 「意外と簡単な問題だったな」 「だろ」 「ということは、授業の教え方が悪いのだな。あの越智とか言う・・」 「あほ。越智さんは担任で国語教師だろ。教師の名前くらい覚えろ」 「人のこと言えるのか。おまえはクラスの半分も覚えてないのだろう?」 「はぁ、おまえそれ何の情報だよ」 「たつきだ」 「・・あのヤロウ」 私専属の数学教師だった一護は、 いつのまにかいつもの高校1年生に戻っていた。 それでいて、虚が出れば死神という名の顔を持つ。 本当に忙しいやつだな。(私が原因なのだけれど) 「さぁ、これで明日の分は平気だな、」 「なんだよどうせなら全部やっちまえよ。どうせまたあとでやるようだぞ」 「うるさい。私はもう疲れたのだ」 「コラ待て」 伸びをして立ち上がろうとする私の腕をつかむ。 抵抗して腕を引っ張るが、その大きい掌はびくともしない。 「や・め・ろ!」 そう言って思いっきり腕を引くと、逃がすかと逆方向に腕を引かれた。 その力に耐え切れず、私は一護に倒れこんだ。 「ば、ばかもの!び、びっくりするだろう!!」 「平気だろ、俺が受け止めてやったんだから」 な、なんなんだこいつはぬけぬけと! それよりもなんで私がこんなに動揺せねばならんのだ、ばかばかしい。 「天下の死神様はこんなことでケガなんかしねぇだろ」 一護に抱きとめられながら、一護の腕の中で見る、一護の笑顔。 なんだかいつもと違う。 こんな体勢でいるからだろうか。 「ほら、最後まで終わらせちまうぞ」 「絶対イヤダ」 起き上がり再び逃げ出そうとすると、また捕まえられる。 どうやら言うことを聞かないと、離してくれないらしい。 それなら・・・ 「逃げんじゃねぇって言ってんだろ」 「さっきからイヤダと言ってるだろ」 思いっきり反発してやることにした。 俺、いるんですけど?By コン |