お兄ちゃん、お兄ちゃん。
家では兄妹にそう呼ばれている桃先輩。
桃先輩はめんどうみがいいし、子どもも好きだし、しっかりしているけど、
桃先輩だって子どもなんだよ。


「越前、腹減ってねー?」
「ううん」
「んじゃファンタかなんか持ってくっか」
「いいって。」

立ち上がった桃先輩に、そんなに気使わなくていいよって言うけど、
俺が飲みたいから持ってくるわ、と言って階段を下りていった。

「まったく、せわしないんだから」

桃先輩は後輩である俺の面倒をみなきゃって思っているんだろうか。
確かにそれが嬉しいときもあるけど、あんまりお兄ちゃんをやられてしまうと
なんだか気を使われてるみたいで、ちょっと落ち着かない。

「おまたせ」

桃先輩が戻ってきて、やっとゆったりと時が流れ始める。
ファンタを飲みながら、雑誌を読んだりテレビをみたり。

「なんで桃先輩はそんなに俺に気を使うの」
「そうか?気使ってるつもりは全然ねぇんだけどな」

無意識でやってるってこと?
そうゆうところも桃先輩のいいとこだけど、

「桃先輩だって子どもなんだから、そんな強がんなくていいの」

ほっぺたをぎゅうっと引っ張ってやると、

「なんだそりゃ」

笑いながら腰に手を回される。
桃先輩に座りなおしてから、俺は首に手を回す。

「大声で喋るし、喜怒哀楽激しいし、単純だし」

考え出したらエンドレスで出てくる項目の数々。

「なんだよヒデーな」
「でも桃先輩嬉しそうだよ?」
「そりゃ、俺のそうゆうところが好きってことだろ」

お前の顔見てればわかるよ、

「・・そうだね。好きだよ、桃先輩のこうゆうとこ」
「俺も好きだよ、越前のそうゆうとこ」
「俺のそうゆうとこってどうゆうとこ?」
「さぁ、なんだろうな」
「なに。教えてよ」
「んーちょっとヤダ」
「なんで!」
「おまえが必死に聞きたがってるから♪」
「・・意地悪」

もったいぶる桃先輩を半目で見上げると

「そうゆうとこも好きだぜ」
「だから、わかんない!!」
「くくっ。これじゃどっちが子どもだかわかんねぇな」

桃先輩の上に座りながら不機嫌になる俺の姿は、
桃先輩よりもよっぽど子どもに近かった・・・











ふたりともりっぱに子どもですw


















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