「どうだった?一護、どうだったんだ!」 「あーうるさいうるさい」 がちゃりと部屋に戻ってきたとたん、 ルキアが目を輝かせて待っている。 なんだかもうこれが日課になっちまってる。 「今日の1位は・・・」 そこで言葉をとめると、ルキアがごくりとつばを飲む。 毎回思うが、占いなんて確証のないものをなんで信じられるか、 俺にはわからねぇ。 毎日毎日数分の占いのために、俺は自室とリビングを往復する。 「じらすな。早く言え」 ムカ。 いくら気になるからって、胸倉つかむこはねぇだろよ! 予定変更。とことんじらしてやる。 「ほら!今日の1位は何座なのだ?やぎ座は?やぎ座は何位だ?」 「さぁな」 「貴様・・私の貴重な楽しみを奪うのだな」 握りこぶしをフルフルさせながら、 ルキアは今にも殴りだしそうな形相で俺をにらんだ。 鬼だ・・・・こいつ・・・。 「・・やぎ座は最下位だよ、最下位」 「おまえ・・私が気に食わんからそんな嘘をついておるのだな!」 「違ぇって」 「ちなみに1位はてんびんで、2位がいて座だ」 そう言って、服をつかんでる手を振り払うと、 ちょっとしんみりしたルキアが、そうか・・と呟いた。 ったく・・馬鹿正直なやつ。 占いごときに振り回されちまって・・ 俺はルキアに背中を向けて、どっかり座り込んだ。 「最下位には、ラッキーアイテムってのがあんだってよ」 「・・ラッキーアイテム?」 「あぁ」 「それで、なんなのだ、私のラッキーアイテムというものは」 ・・・・・・・・・・。 「・・・『苺』だってよ」 「・・なに、『一護』?」 「っだぁああ!発音が違ぇよ!!苺だ苺。果物だ」 「ふふ。わかっておる」 コイツ・・・・ッ。わざとかよ。 「適当に違うことを答えておけば、恥をかかずにすんだのではないか?ほれ、顔が紅いぞ?」 「うるせぇ、俺は無闇に嘘はつかねぇたちなんだよ」 「馬鹿正直だな、おまえは」 「占いをすんなり信じるようなやつに言われたかねぇよ」 「そうか、イチゴか。それじゃ・・」 「なんだよ」 ルキアは俺の真正面に立つと、ふわっと体をかがめて。 「苺がないのだから、おまえが変わりになれ」 偉そうな口調で、俺の上に座り込んだ。 な、なんなんだよっ・・! 「重いっつーの」 「うるさい、修行の一環だ、修行」 「なーにが修行だよ、適当なこと言いやがって」 ふふっとルキアが笑った。 くっそ・・なんでコイツのペースなんだよ・・。 「馬鹿正直もここまでくると、可愛いもんだな」 「だからおまえに言われたくねぇ!!」 ひざの上での口げんかは続く。 なんだ、このバカップル・・・。 文句を言いながらもずっとひざの上です、バカップル。 ルキアは毎日、朝のひとときを楽しんでおいでです。 |