「桃先輩ってムードってもんがないよね」 「はぁ?」 2人でいるってのに、床に寝っころがるわあくびはするわ。 別にムードを作れって言ってるわけじゃないけど。 「もしかして寂しがってる?」 「そんなんじゃない」 否定はしたものの、抱き寄せられてぴったり体をくっつけられて接近されれば、 さっきよりは全然嬉しいわけで。 「おまえのそうゆうとこ大好き」 不機嫌な俺にやさしいキスが降ってきたりすると、 不覚にも自然に腰に手を回したくなってしまう。 「なぁ、ぎゅーってしてくんねぇの?」 そして以心伝心。 俺がそうしたいときは、桃先輩もそうしたい時で。 「桃先輩がしてよ」 見透かされてるようで悔しくて、桃先輩からの愛を求める。 桃先輩はそんな俺に素直に愛を注ぎ込んでくれて。 「大好きだ」 大事なものを包むようにして抱きしめてくれる。 あったかくなった気持ちは次第にあふれ出して、 「俺も・・大好き」 俺を素直にさせてくれる。 ムードも照れもない、何も飾らないシンプルな言葉。 それはあなたの一番まっさらな気持ち。 |