紺色の空に星を見つけ、私は外にでた。

夜空とは不思議なものだ。
現世で見る星も、尸魂界で見る星も、同じように光り瞬き、
同じ星座を作り上げ、時が経つと流れ、去っていく。
それを見て少し安心したのかもしれない。
私は気持ちのよい夜風を体に浴びせ、目を閉じようとしていた。

「まだそこにいたのか」

一護の頭だけが見えて、閉じかけた瞳を開いた。
屋根を登って私の元へ来ようとする一護に、

「やめとけ。落ちるぞ」

と笑って言ったら

「馬鹿にすんなよ」

と怒られた。
一護は寝転がりながら空を見上げた。
私も真似して一護の隣に寝転がることにした。

「はじめて登ったけどいい景色だな、ここ」
「だろう」

見上げる闇に瞬く無数の星。
小さな光が数えられないほど散りばめられている。
音もなく白く照る星のおかげで、今日の夜はこんなにも明るい。

「眠れないときは、こうして星を見ていたんだ。」
「向こうじゃよく見てたのか」
「ほぼ毎日な。考えることが多すぎて寝付けなかった」

戌吊で過ごした日々。
最低の生活から抜け出し、死神になり、兄様に引き取られ、現世に降り・・
いろいろなことがあった。
星さえも見る暇がなかった日が続いたりもした。
それが今はこんなにも穏やかな気持ちでいる。

「そっか。でも今のお前の姿からはそんなこと想像できねぇな」
「あぁ、最近は随分寝つきがいい。・・・何でだと思う」
「さぁ、なんでだろうな」
「おまえが全部ぶち壊してしまったからだ」
「ぶち壊したって・・もうちょっと言い方があるだろが!」
「はははっ」

確かにそうだが、おまえは本当に何もかも壊していってしまったではないか。
私の内面まで深く入ってきて、私本人が解決できないような問題を、一護は解決してしまった。
無理矢理で、むちゃくちゃで、掟も何もない、一護自身の想いだけで。

「一護・・」

体を半回転させ、一護に向けさせる。

「なんだ」

顔だけをこちらに向けて、何にも知らないような顔で私を見る。
いろいろ壊して、全てを変えてしまったくせに、一護はこんな顔で私を見る。

「感謝している・・本当に」

どんなに私が救われたのか、どんなに私が嬉しいか、
この男はわかっているのだろうか。

「ほんと・・よくがんばったな、ルキア」

やさしく笑んだ一護が長い腕を伸ばして、頭に大きな掌が触れた。
・・ほんと、やめてほしい・・・。
そんなことをされたら、堪えきれなくなってしまうではないか。
さっきから必死で我慢してきたのに。

「ルキア・・?」
「うるさい」

そんな反発も完全に涙声で。
あやすように大きな手が再び頭をなでる。
あぁ、バレてしまったではないか。
諦めと同時に感情がこみ上げてくるのがわかる。
私は一護に体を寄せるようにして、服をぎゅっとつかんだ。

「おまえでも泣いたりするんだな」
「うるさい」

色気もない会話だけど、いつもとなんら変わりのない一護らしいセリフに安心感を覚える。
そしてなにより、夜風の中にいるというのにこんなにも暖かい。
星は角度を変え、より一層輝きを増した。









こんなの本編でやってくれないかなぁ。。


















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