お、お、お、落ち着け、俺!!!!!!
こいつは越前じゃない、越前じゃない、越前じゃ・・・

チビリョ「お兄ちゃん、どうしたの?」

っくあぁ!!!!!その瞳をやめろぉおお・・・・っっ!!
このままじゃヤバいと悟った俺は、こいつを膝からおろすことにした。

チビ桃「りょーまぁ!こっち来てあそぼうぜー!」

ドンッ!!・・・・・・ちゅ
え・・・・・・・・。

桃城(・・うぉわぇえぇええぇえーっ!?)心の声

膝からおろそうと持ち上げた瞬間に、いきなりチビ桃がチビ越前を押した。
一瞬だが、確実に・・唇がぶつかった。本当に、それは一瞬の出来事だった。
チビ越前はきょとんとした顔をしているが、その瞬間、
極寒のごとく冷たい2つの視線が、俺を貫いた。

チビ桃「りょーまが、りょーまが兄ちゃんとチューしたーー!!!」
桃城「ち、ち、ち、違ぇよ!!!おまえがいきなり押すから!!」
越前「・・・桃先輩、今なにした」
桃城「バ、バカ越前、何怒ってんだよ、事故だ事故!」
チビリョ「・・・・?(何が起きたのか分かってない)」

チビ桃「このやろー!!りょーまになにすんだー!!」
越前「子どもに向かってなにしてんだ!変態っ!!」
桃城「ぐあっ!!」
チビリョ「・・・・?(分かってない)」

ちょ、ちょっと待てよ!!なんで俺が暴行されてんだよ!!
二人してポカポカ殴りやがってっ!!
事故だろ事故!そ、そりゃ、一瞬の出来心はあったけど、俺は回避したじゃねぇか!
それをこいつが・・!!

越前「ねぇ、コレ(桃先輩)どうする?」
チビ桃「・・絶対許さない」

怖っ!!!そんな最強のペアで向かってくるな!!
俺どうなっちゃうわけ・・・。

チビ桃「許さないよ、兄ちゃん」
越前「ねぇ桃先輩、この子全力で桃先輩のことやっつける気満々だよ」

・・なぁ越前、その素敵な笑みがすごく怖い。
眉を吊り上げたチビ桃が俺に向かってきた瞬間、覚悟を決めて目をぎゅっとつぶる。

・・・ん・・?
痛みも触れられることもなく、目を開くと、
チビ越前がチビ桃をしっかりと抱きとめていた。

チビリョ「だめだよたけし。弱いものイジメしちゃいけないって先生言ってたもん」
チビ桃「だって!!こいつりょーまにチューした!!」
桃城「(・・ガーン。自分にこいつ呼ばわりされた・・)」
チビ桃「りょーまは俺のだ!!」
チビリョ「もーわかってるよ。それに、俺が好きなのたけしだけだし」

そう言ってやさしく笑いかけると、チビ越前はチビ桃の唇に子どもらしいかわいいキスをした。
それをかみ締めるようにして、お互い見つめあうと、どちらからともなくぎゅーっと抱き合った。
こ、こ、この・・・・・マセガキーーーーーーーーッ!!!!!!
言葉にならなくて俺が口をパクパクさせる間にも、二人は抱き合ったまま動かない。
それを見ていたらなんだか悔しくなって、俺と同じ表情で二人を見つめる越前に、俺もキスを迫った。

越前「も、っセンパイ!なにしてんすか!!」
桃城「何って、キスすんだよ!わかんねーのか」
越前「なにどさくさに紛れてしようとしてんの、しかも子どもの前!!」
桃城「その子どもが今キスしてたんだぞ、構うかー!」
越前「や、やめてってば」

俺は越前の肩をがっちりつかみ、どんどん距離を縮めていく。
当然がたいのいい俺と、可愛い華奢な越前なら俺の方が勝る。

桃城「・ぐはっ・・!!」

それでも、瞬発力と防御が間に合わなきゃ意味のねぇ話だけど。
俺のにやけた顔は一瞬にして、苦痛の表情に変わった。
越前の強烈パンチはどんなときでも健在だ。

桃城「ちぇ、なんだよ越前のケチ、ここでヤるわけでもねぇのにそんなに血相変えてよ」
越前「余計ありえない。」
桃城「あーあ、桃ちゃんの男前が台無しだぜ」
越前「よく言うよ。」
桃城「あーっくそ!おまえらもいつまで抱き合ってんだ〜!!」

むっしゃくしゃして、さっきからぴくりとも動かないチビたちの顔をうかがってみる、と。
すぅすぅ。小さな寝息を立てていた。

越前「うわー、今の桃先輩じゃ考えられないほど静かな眠りっぷり」
桃城「悪かったな、どうせ俺はいびきうるせーよ」
越前「寝相もサイアクだけどね」
桃城「に、しても、やっぱ可愛いもんだな、子どもって」
越前「桃先輩は子ども好きだからね」
桃城「おまえのことも好きだぜ」
越前「・・知ってるよ」
桃城「そっかそっか」

一瞬余裕を失ったように見えた越前の肩を抱くと、顔を隠すように背中を向けた。
ぐいっと肩を引き寄せて、さっきし損ねたキスをする。
照れているだけで、怒ってない様子の越前を見て、俺は思いっきしの笑顔で笑った。

桃城「俺幸せだぜ、越前のファーストキス2回も奪えたってことだろ♪」
越前「そんな嬉しいの・?」
桃城「嬉しい嬉しい!すんげぇ嬉しいぜ!!」
越前「桃先輩、はしゃぎすぎ」

越前、やっと笑ったな。
なんだか今日は越前を怒らせてばっかりだったから、笑顔が見れて少し安心した。

桃城「しょうがねぇだろ、おまえのこと大好きなんだから」
越前「よくそうゆうこと、、平気で言えるよね、桃先輩」
桃城「愛が溢れてますから」

俺は越前を抱いたまま、越前も俺に抱かれたまま、お互い微笑みあった。

桃城「おし、チビっ子も寝たとこだし、俺たちも昼寝すっかー」
越前「チビっ子、このままにしといていいの」
桃城「いいだろ、すやすや寝てるし。こっちの方が幸せだろうし、このバカップル」
越前「(バカップルって、、自分なんだけどなぁ)」
桃城「それとも越前、羨ましい?」
越前「別に、そうゆうわけじゃ・・」

言い終わる前に、越前を静かに押し倒す。
耳元でちゅっと音を立ててキスを残して、

「腕まくらでいいだろ」

片腕はまくらに、残りは越前を抱きしめて目をつぶると、
自分勝手、と小さく声が聞こえ、ぎゅっとその小さな体が寄せられた。















いつのまにか、このやわらかい空間の中で熟睡してしまったらしい。
そりゃ、越前抱きしめて寝てんだ、熟睡しないわけがない。
越前は睡眠薬であり抱きまくらであり、俺の精神安定剤。
その効果が切れたのは、朝の目覚ましで起こされたからだ。

「っん〜・・」

まだ眠そうな越前の声を聞き、俺もうっすらと目を開ける。
そういや、昨日は・・・ん。あれ、あいつらは・・?
俺は越前を軽くゆすって、目を覚まさせる。

「越前、あいつらいねぇんだけど、どこ行ったか知ってるか」
「ん、あいつら・?」
「ほら、昨日の俺と越前のチビっ子バージョン」
「ん。あぁ・・そいや、いないっすね」

一瞬越前が「誰それ」って顔でこっちを見るから、夢オチか?なんて思っちまったけど、
覚えてるってことは夢ではねぇよな。二人で同じ夢を見るはずねぇしなぁ。

「ちぇ、もう少し遊んでやりたかったのによ〜」
「またそのうち出てくんじゃない?」
「お、越前もそう思うか!」
「なんとなく、勘」
「そうかそうか、おまえもそう思うか。よし、次はちゃんと、俺たちが超ラブラブだってことを見せ付けてやろーな!」
「別にそれはいらないけど」

ガーン。軽く言ってくれやがってこのやろ〜!
ちょっと傷ついたぞ!と文句言ってやろうとすると、胸倉をつかまれて、昨日とは逆に俺が押し倒された。

「そんなことより今はさ、ちゃんと俺の抱きまくらになっててよね」

今日一番のキスを越前から受け、俺も反射的に抱きしめ返す。
あぁ、今の俺たちを見たらあいつらもう仲悪いなんて思わねぇだろうなぁと、そんなことを思った。
またあいつらにも会いたいし、またいろいろ話してみてえけど、
今の俺は越前のことで頭いっぱいなんだよなぁ、
そんな贅沢を思いながら、本日2度目のキスを越前におくった。












ようやく完成しました〜!チビっ子桃リョ!
大分時間が空きましたが、なんとか。
最後の仕上げが眠かったのでぐだぐだですが、とりあえず完結!



















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