「っぁ〜!今日も疲れたなぁ。もう限界」

「40周も・・・桃先輩のせいっすよ」

「はぁ!?俺!?」

「騒ぎすぎなんすよ、桃先輩は」

「るっせぇなぁ。越前だって走り回ってただろー」

「あれは桃先輩がいきなり水かけ・・んぐっ!!?」



部長に命じられたグラウンドを走り終わり、

越前が部室のドアに手をかけようとした途端に、

不意に窓から見えた怪しい気配を察し、俺は越前の口をふさいだ。



「もうっ!なにすんすか!」

「しっ!な、越前、部室ちょっと覗いてみろよ」

「はぁ?普通に入ればいいじゃん」

「それじゃまずいんだよ。窓からチラ見すんの」

「それじゃ覗きじゃん・・・」

「いいのいいの。音立てるなよ。静かにそーっとだぞ。」

「なんかあるんすか?」

「みてのお楽しみ」



ししっと笑うと、早くみてみ?と窓を指差す。

おそるおそるそれを見たあとの越前は、もう耳まで真っ赤で。

素早くしゃがみ込んで、俺と視線を合わせると、

そのかわいい顔のまま俺を睨み上げた。



「どうすんすか!!まだ部室に荷物あるんすよ!!!!」

「ははっ。俺に怒るなって♪」

「・・・俺の反応見て楽しんでんでしょ。最悪。最低っ」



越前がみたもの。

それは大石先輩とエージ先輩のキスシーン。

キスシーンくらいで赤くなるなんて、かわいいやつv



「桃先輩、よくそんな涼しい顔できるっすね。このぶんじゃ当分荷物とれないっすよ?」

「そうか?キスくらいならすぐ終わるだろ」

「・・・キス?なに見てたんすか、桃先輩」



もう一度こっそり、窓を覗いてみる。

あれ、二人ともいねーぞ?



「どっち見てるんすか。こっち!!!」



越前に頭の向きを変えられた先にあったもの。









・・・・・・えええええええっ?!

さっきは確かに、確かにロッカー前でキスしてたはず。

なのに、今目の前にある光景は、ベンチに座った大石先輩の上に、エージ先輩が座り、

しかも大石先輩が上半身裸ときてる。

え・・・やってんのか!?

その見慣れない光景に、俺は思いっきり動揺した。



「クス・・・桃先輩こそ、赤いっすよ」

「違っ!さっきはキスしてただけだったんだって!!」

「へぇ、でも随分動揺してるじゃん。人のこと言えないんじゃないの?」

「ば、ばか!動揺なんかするかよ!!」

「そうっすよねぇ?俺たちもシてるもんねぇ?」

「コノヤロウ・・・からかってんだろ」

「そういえば、さっきは菊丸先輩が上だったっすねぇ(にや)」

「何する気だよ、オマエ・・・」

「さぁねぇ?」





・・・俺、あぶねぇ!!!!!!!!!!!!!!

いや、いくら人が居なくて暗くても、野外はヤバいだろ!!!



「ねぇ、どうするの?」



でも、

そうやって上目遣いで挑発するのも反則だろ・・・



「後悔すんなよ」

「そっちこそ」



決心を決め、越前をゆっくり押し倒した瞬間。





ガチャ。





ドアが開いた。





「なぁにしてんのかなぁ〜桃におチビちゃん♪」

「エージ先輩!?」「菊丸先輩!?」

「へぇ、こんなところでやっちゃう気なんだ〜?」

「そ、そんなことないよなぁ。越前」

「往生際が悪いッすよ、桃先輩」

「おま・・っ!少しは隠したりしろよっ!」

「この体勢をどう隠せってゆーの」

「手塚にチクっちゃお〜っと」

「エ、エージ先輩だって部室でやってたじゃないっすか!?」

「ほぇ?何いってんの?」



エージ先輩が首をかしげると、半開きだったドアがさらに開いて、

大石先輩が顔を出した。



「エージ!いきなり飛び出すから、消毒薬こぼれただろ!」

「うわぁっ!大石ごめん!!」

「・・・桃、越前・・・なにしてるんだ・・・?」

「え・・・あ、大石先輩!?ちょっと、桃先輩早く退いてよっ!!」

「いでっ!!」



越前に押しのけられると、前には仁王立ちした大石先輩が・・・。



「それで、部室の前で何をしてたんだ?桃、越前・・・」



ヤ、ヤバ・・・。



「あんね、大石。俺たちが部室でやってると思って、桃がムラムラしちゃったんだって〜」

「ちょっ、エージ先輩!!」

「ケガの治療してあげてただけなのにねぇ」

「まったく、俺たちが部室でそんなことするわけないだろ」

「ちぇ。俺はしてくれてもいーんだけどなぁ?」

「エ、エージっ!」



「・・・越前!今のうち逃げるぞ!!」

「おわっ!!」

「あ、こら!」



大石先輩が戸惑ってる隙に、越前の腕を引っ張り、全速力でその場を後にした。

結局俺と越前が見た、大石先輩とエージ先輩は、怪我の手当てをしてただけで、

俺たちが勝手に勘違いして、欲情してただけだってことか・・・っ!!!

な、情けねぇ・・・。





「ね、桃先輩・・・」

「んー・・」

「これから桃先輩んち行っていいっすか?」

「へ?」

「未遂で終わらせたくないでしょ」



にやりと笑う瞳が俺を挑発する。



「手加減しねーぞ」

「こっちこそ」



そして、うちに向かうべく、力強くペダルを踏み込んだ。





・・・・・・・・・・・・・・・・





その後、桃城宅にて。



「あ!!!!!!!!!!」

「なんすか・・」

「荷物、部室に忘れた。」

「あ・・・・・・・・・」














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 □みたかさまのリクで「ちょっとHな桃リョ〜大菊につられて・・〜」でした。
  お待たせしました。
  大分時間が経ってしまいすみませんでした。
  なんだかあわただしい展開になってしまいましたが、
  やっと仕上がりました。









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