「おチビってポーカーフェイスだよねぇ」

「あんまり笑ったとこ 見たことないよね」

「そうそう しかも笑うときもニヤって!」


さっき試合を終えた不二と 暇を持て余していた英二は

丁度試合が始まった リョーマの試合を見ていた


「試合して勝っても表情変わらないもんねぇ きぃ〜!かわいくにゃい〜!」

「越前てさ ちょっと手塚に似てるよね」

「あ!似てる似てる!!ちょっとってゆーかそのまんまじゃん!」


クールだし 素っ気無いし 無口だし

今だって先輩に容赦なく ボールを打ち返す

リョーマの気迫と勢いに 相手はボールにさえ追いつけない

リョーマは呼吸さえ乱れていない

二人は2年前の手塚の姿を思い浮かべ 二人の姿を重ね合わせた


「おチビも3年になったら ああなるのかな?」

「フフ どうだろうね」


不二が クスクスと笑っていると


息を切らしながら 全速力で走ってきた桃城が 二人の隣に飛び込んできた

両手でひざをついて肩で息をしている


「あれれ?桃試合じゃなかったの?」

「はぁっ…今…終わったっんすよ…っ…ってか終わらせたっす!」


桃城はフェンスを掴んで ボールを打ち返すリョーマに 大声で叫んだ


「えちぜん!!負けたら承知しねーかんなー!」


コートに響く声

その声がリョーマの耳へ伝わって こっちに振り返る。







あ わらった







「ねぇ不二!!笑ったよ!!今!!」

「見た見た」

「にこって!にこってわらったよ!!」

「誰かさんの一声で 随分かわいく笑えるんだね」


珍しいものを見て 英二がはしゃぐ

見透かしたように 不二が微笑む

その様子を桃城は不思議そうに見ていた。


「そんな珍しいっすか?」

「だっておチビって あんまり表情出さないじゃん」

「あいつ結構笑うっすよ」

「うっそだぁ!」

「ホントですって!笑うし 怒るし ときどき泣きそうな顔するし」

「えぇ!あのおチビがぁ!桃どーゆー会話してんの?」

「どうゆうって…大した話してないっすよ」

「俺も見て見たいなぁ〜表情豊かなおチビ〜」

「英二 残念だけどきっとそれはできないと思うな」

「え〜なんで〜!」

「桃にしかできないってコト」

「だからなんで〜!」

「フフ そのうちわかるよ」


意味深な不二の発言に リョーマの試合も忘れ 桃城も話に聞き入った

しかし英二と桃城はわけもわからず 微笑む不二を見て首をかしげた。


その途端 背中に衝撃を受け 桃城は前へつんのめった


「どこ見てんの。俺勝ったよ?」

「ってぇ!激突すんなってのー」


話に夢中になっている間に試合は終わり

不機嫌な表情のリョーマが 桃城の袖を引っ張る

袖を直して 機嫌を治すように リョーマの頭をぐりぐりなでる


「俺 勝ったんで ファンタね」

「なに言ってんだよ 俺だって勝ったんだから引き分けだろ」

「桃先輩のことは関係ないでしょ」

「はぁっ!?」

「そんなルール聞いてないっすよ 俺が勝てばファンタってルールだけ」

「き、きたねぇ!」


不二と英二はそっちのけで 二人の会話は止まらない

お互い文句を言いながら 同じ速度で 部室へ歩いていく

その様子を英二はぽかんとした顔で 目で二人を追った。 」









「わかった 英二?」

「………わかった」











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□お付き合い前の桃リョでした。
 不二が一番最初に気づきましたね。
 付き合う前でもこんなんです。
 付き合ったらあんなことやこんなこと…(笑)
 


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