「ん・・・」 カーテンの隙間から日差しが差し込む。 そよそよとやわらかい風の音が聞こえて 目をうっすらと開ける。 ・・・ぅわ// 目の前に、桃先輩の顔。 少し顔を動かせばキスできるくらいの距離。 昨晩、気が済むまで愛し合った後、離れてしまうのが寂しくて、 狭いのを我慢してひとつのベットで眠ったのを思い返す。 ひとつの枕を二人で仲良く使って、 軽く抱いた腕から桃先輩の温度が伝わってきて、あったかかった。 このまま時間が止まればいいと思いながらゆっくりと目を閉じた。 でも、朝になれば話は別。 軽く抱き合った状態でこんな近くにいれば、恥ずかしさ極まりない。 夜は暗いからわからなかったけど・・・こんな近くで寝てたんだ・・//// 恥ずかしいような、くすぐったいような。 間近に見た桃先輩の寝顔に、 「ばかみたい・・・//」 自分の顔が赤くなっていくのが見ないでもわかった。 貴重な桃先輩の寝顔は見れたけど、ちょっとだけ悔しい、かな。 桃先輩はまだ夢の中、幸せそうな顔しちゃってさ。 なんの夢見てるんだろ。 でもだんだん寝顔を見ているだけじゃおさまらなくなってきて、 ぎゅぅ。 「・・・起きて」 そっと囁くように、桃先輩を抱きしめた。 寝ぼけているのか、ん〜、と生返事をされた後、軽く抱きしめ返された。 「ん・・おは、よ。・・越前」 「おはよ。」 「早起きだな、珍しく」 片手で頭をなでてくれる桃先輩の手に、また瞳が閉じそうになる。 この手はいつも、俺を夢の世界に連れて行こうとする。 そのやさしい感覚に応えるように、ほっぺたにキスをする。 「ん。今日は随分ゴキゲンだな。」 嬉しそうに微笑む桃先輩につられて微笑んで、こくっと小さく頷づく。 そんな俺たちを包むのは、のんびりとゆっくり進む時間。 こんなのんびりした朝は久しぶり。 いつもは遅刻がなんだって騒いでる俺たちにとって、今日は特別な日。 「もう、ちょっと・・・こうしてよ?」 ぬくもりを求めるように、桃先輩にぴったりとくっついた。 離れないように、自分の足を桃先輩に絡めてぎゅうっと抱きつく。 「越前、なんか今日すげぇ、かわいい・・・」 俺の頭を胸に引き寄せながら、嬉しそうな声が聞こえた。 こんな日には、素直になってもいいかもなんて。 そんなこと思えちゃうほど、俺は桃先輩が好き。 「な、越前」 「ん・・・?」 「キスして、い?」 「・・・ん」 ぴったりくっつけた体を少し離すと、やわらかいキスをされた。 少しずつ深くなっていく口付けに、少し声を漏らして 名残惜しそうに、ゆっくりと唇を離すとともに目をうっすらと開ける。 離れたと思った唇がすぐにまた寄ってきて、今度は唇をぺろっと舐められた。 目をぱちくりしながら桃先輩を見上げると 「ごちそっさん」 微笑みながら、また頭をなでられる。 ほんと、くせになりそう・・・ 俺ばっかり幸せをもらってるみたいで、今度は俺から・・・ 首に手を回して抱き寄せて近づいた後、自分から桃先輩の唇に口付けた。 また甘いキスに変わっていく。 とろりと溶けちゃいそうな甘いキスは、その後何回も続いた。 それは、眩暈がするくらいの幸せ。 「越前、好きだぜ・・・」 「・・・俺も、好き」 そしてまた、抱きしめ合う。 あたたかいぬくもりと、やわらかいキスと、とろけそうな幸せ。 そしてまた、今日という日が 特別な日に変わっていく・・・ ---------------------------------------------------- □久々に甘いものを書いてみました。 やだっ、このバカップル!!ヤマオチイミなし最高! 最近あたたかいのでとっても想像(妄想?)しやすかったです。 もうすっかり春ですね。 back |