雪が降った







指がかじかんで 息は白くて 指先も凍って

鼻も耳も赤くて 肌に冷たい風が吹き付ける。

それでも 誰もいない公園に広がった純白の世界は魅力的で

俺たちは走り出した。

綺麗な雪の真っ白へ飛び込んで 顔を雪に埋める

顔についた雪を払って 笑顔で呼びかける。



「越前越前!俺の顔型」

「…不細工」



雪をすくって やんわり丸めて越前の顔にぶつけてやった。

笑えるくらい顔面に雪玉を受けて やわらかい雪は 越前の顔にくっつく

夢中で雪を払おうとする姿に 腹を抱えて笑う。

目は口ほどにものを言う

すごい形相で睨みつけられて 飛んでくる雪玉をとっさに避けた。



「なんで避けるの!」

「そりゃ避けるって。そんな硬い玉作んなよ!」



やられて黙ってるわけない

雪をかき集めて これでもかって程投げつけたけど

かじかんだ手じゃ思うように当たらない。

それなのに桃先輩の投げた雪には ボスって音を立てて 当たる







おもしろくない







肩で息をしながら 少し辺りを見回して …いいものをみつけた



「桃先輩 あそこなんかあるよ?」

「ん、なにがあるって?」

「こっちこっち」



その場所まで誘導する

目の前にでっかい雪のかたまり

どこだ?と油断したところで 素早くかたまりを持ち上げて 思いっきり投げつけた。



ほんと 単純なんだから

桃先輩はバランスを崩して 仰向けに倒れて

雪を顔にのっけたまま 笑い出した

やられたのにね



「…雪ぐらい払いなよ」



ため息をついて パラパラと雪を払ってあげる

赤い顔をして 白い息して 楽しいなって笑いかけられる。













桃先輩とだからだよ













そうだねと笑って 腕を引っ張って桃先輩の体を起こす。

雪合戦で白熱した息もすっかり整って

また冬の空気にさらされる。



「冷たくなっちゃったな」

「そっすね」

「…越前、手」

「手?」



手を伸ばされて その手をつかむ

指をからめて ぎゅっと握って…



「帰ろうっか」

「うん」











初雪が降って

ただ雪が積もって

ただ それだけ








雪なんて何回も見てるのに

こんなに楽しくて うれしくて

あったかい冬









一緒にいて はしゃいで 手をつないで

そんな些細なことが とてもしあわせ

















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□つー太と「雪っていいよねぇv」って話してて書いたネタです(笑)
 きたっ!と思って即行で書きました。  素敵なネタをありがとうv
 めっちゃくちゃ桃ははしゃぐんだろうなぁv
 かわいいなぁ コノヤロウ〜



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