ご褒美と再会




「なぁなぁ。リョーマァ」


中間テストも無事に終わり、リョーマは一息ついたと研究室で読書に勤しんでいた。
桃城は、椅子をクルクルと回して駄々を捏ねていた。

「・・・・・うるさい」

本を一心に眺めて、こちらを見ようともせずに言われてしまった。
それでも、一声あるだけでも、マシだった。
冷たいリョーマの態度に桃城は苦虫を潰したような顔をした。

「俺、中間で英語のテストがトップだったんだぜ?」
「ん。エライね」
「おい!エライだけじゃなくてよ」

スススーーと椅子に腰掛けながら、リョーマの傍に付いた。
形の良いリョーマの耳にふうっと息を吹き掛けた。


「ひゃ・・・」


桃城のことなどお構いナシにいたリョーマが、崩れた。
後ずさるが、桃城が細腰を掴み更に密着させた。

「ご褒美ぐらいくれよ」


中間で英語はトップに入ったろ?
少しぐらいご褒美をくれよ。


リョーマの首に両手を回し、項に唇を寄せた。
吐息のような溜息がリョーマから漏れた。

「ちょ・・・ここ研究室だよ」
「そうだな」
「じゃ離してよ」

離せと言いつつも、体が力が入らないのか。
カァと赤みが帯びてきた。

「この前約束しただろ?シたいんだよ」


――テスト中だからって、お預けだったしよ。


「約束って・・・いつしたの。それにベッドが・・・」
「大丈夫だって。すぐに分かるからよ」


それにリョーマだったら、気持ちよくなってさ。
ベッドがあろうとなかろうと関係ないかもしれないぜ?
試してみろよ。


「ん・んーー!ダメだって・・・」
「いいだろ・・・?」

拒んでいるのか、誘ってるのか分からない状態で。
研修室が甘い雰囲気に飲まれた頃。





「おちびーーーーー!!!!」



バッターン!


「久しぶり!逢いたかったよ〜」
「高等部の教師になったんだって、教えてくれなきゃ・・・って」



シーン・・・



ノックもなしに青年二人が入ってきた。
リョーマと桃城は、まさか突然人が入ってくるとは思わずに、リョーマは桃城を張り付かせたまま。
桃城も、オネダリ中だったので、リョーマに密着して首に両手をギュッと回していた。


「げげぇぇぇ!」
「・・・・・!」


咄嗟の事で、桃城は奇声を発し。
リョーマは、声も出ないほど驚いていた。

「へぇ。やるじゃん。おちび。もう〜生徒に手を出したのぉ?」
「んー。英二、手を出したと言うよりも、出されたんじゃない?」

二人は咎めもせずに、ニヤニヤと良いモン見たと言わんばかりの顔つきだ。
リョーマは、桃城の件は仕方がないと放っておいて、二人に向き合った。

「・・・英二先輩、不二先輩」
「久しぶり!おちび」
「教師になったなら、教えて欲しかったな」

桃城はリョーマに引っ付いたまま、暫く傍観していたがハタッと気付いた。


もしかして・・・この二人は・・・


「英二先生?!不二先生?」
「やっと気付いたか〜vv 桃ー!」
「随分大きくなったねぇ」

不二周助・菊丸英二。
二人とも青学中等部の教師であり、桃城は中等部の時教え子だった。
不二は笑顔を絶やさずにいながら、スパルタ教師であり(怒らせると怖い)
英二は生徒と一緒になって騒ぐタイプだった。


――まさかリョーマと知り合いだったなんて・・・・


「因みに先生達は、リョーマ・・・先生とどうゆう関係なんですか?」


大学部の時の先輩後輩だよ。
おちびが卒業直後に留学しちゃったから、音信普通だったんだけどね。



リョーマも我に返り、パチンと桃城の手のひらを叩き、首から離させた。

「で。用は何ですか」

「んー。おちびが高等部にいるって聴いてね」
「逢いたくなってね」

これを機に二人は、顔を出すに違いない。
仕方がないとばかりに盛大に溜息を付いた。


もう少しで桃城念願の研究室で致すことは、思わぬ人たちの登場により却下になった。


――いつか。ヤってやる・・・・!





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 □わーい!!
  HAPPYさまのフリーSSをいただいてきちゃいました!
  アンケートで見事1位に輝きました越前先生です!!
  10月一杯ということだったので、ギリギリです!
  あ、危なかった!

  相変わらず、HAPPYさまの豊富な想像力に圧倒されます!
  いいなぁ・・・年下攻め・・・v
  素敵なSSありがとうございます!大事にします!!
       










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