「・・・っく・・ひっ・・っ」

・・・思いだしちゃった・・・
あのときのこと。
もう、思い出したくなんかなかったのに・・・
1人でいる時間なんて・・・大っ嫌いなのに。

溢れるくらいの涙で、周りがぼやけて見える。
もう・・・何にも見えないよ・・・・・・







バタバタバタ・・・バタバタ ガチャッ!!


「りょーまっ!!!!」


も、ももせんぱい・・・っ


「よかった、こっちに居・・・」

声が出ない代わりに、走りよって、思いっきり抱きついた。
もう・・・ばか・・・・・・

「おわっ!?」

その勢いで桃先輩を下敷きにして、ドサッと倒れこんだ。
それでもなお、俺は桃先輩の胸に顔をくっつけ、ぎゅうっと抱きしめた。
・・・ばかばかばかばかっ

「ど、どうしたんだよ、リョーマ。」

あやすように背中をなでられたあと、
顔を桃先輩のほうへ向けられる。

「・・・泣いてたのか?」
「・お・・・・いよ・・・っ」
「ん?」
「・・・おそいよっ」

桃先輩の顔を間近にして安心して、ほっとしたら、また涙が出てきた。

「ごめん・・・部活長引いちまって」

ごめんな、と今度は耳元で囁かれて、頬にチュっとキスをされた。
また少し、安心した。

そのあとはもう、なにも言わないで抱き合ってた。
頭をなでられたりしながら、だんだん俺の涙も止まってきた。

「ももせんぱい・・・」
「ん、」
「もう、・・・ひとりにしないで」
「わかったよ。明日は早く帰って来」
「違う。もう・・・捨てられるのは・・・ひとりぼっちはイヤだ・・・」

ぎゅっと強く桃先輩のシャツをつかむと、
また桃先輩のほうへ顔を向けられて、

ちゅう。

今度は唇に、甘いキスをされた。
そして、桃先輩は、

「だ〜れが捨てるなんて勿体ねぇことするかよ。おまえは俺の家族なんだからな」

照れたように笑って、俺の頭をやさしくなでる。
そして、耳元で囁かれた言葉が、くすぐったくって、恥ずかしくて、嬉しくて、

「うん・・・」

桃先輩の言葉に応えるように、俺も抱きしめる。
ありがとう、桃先輩。
だいすきだよ。







「さぁ〜って!!そろそろ夕食にすっか〜!」
「・・・おなかすいた」
「好きなもんいっぱい食わせてやっからなぁ!」

そのあと、俺がリクエストした魚料理をおなかいっぱい食べた。 忙しい朝ごはんも、
一人で食べる昼ごはんも、
桃先輩と一緒に食べる夜ごはんには適わないくらいおいしかった。


『リョーマ、ずーっと一緒に暮らそうなっ』

『うん・・・』
































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